改訂版☆日本昔話




キャスト

●桃三郎
●かぐや姫
●一寸法師・坊さん
●一寸法師の姫さん
●鬼1
●鬼2

ストーリー

かぐや登場。
桃三郎倒れている。

かぐや :「あ〜〜〜〜久しぶりの地球だわ。何十年ぶりかしら・・・っていうか、ここどこかしら?誰か知ってる人いないかなぁ・・・おじいさんとか・・・あぁ、もう死んじゃったかな・・・。」
桃三郎 :「め・・・・飯・・・」
かぐや :「きゃー!何こいつ!!」

桃三郎、かぐやの服を引っ張る。

桃三郎 :「飯、飯をくれぇ・・・・」
かぐや :「そんなモノ持ってないわよ!とっとと離れなさい!私を誰だと思ってるの!?」

かぐや、桃三郎を蹴り飛ばす。

かぐや :「私は、月の住人、かぐや姫よ!知ってるでしょう!?」
桃三郎 :「かぐや・・・姫?ああ、聞いたことがある。何十年も前にふらりと地球にやってきて贅沢し放題、男たぶらかし放題である日突然月へ帰って行ったとかいう伝説の・・・」
かぐや ;「なっ、なんなの!?その話がこじれた伝説は・・・!?まぁ確かに少しは当たってるけど・・・」
桃三郎 :「ふふふ、それなら聞いて驚くなよ!?俺はかの有名な桃太郎の孫、桃三郎だ!どうだ、驚いたか!驚いただろう〜!!」
かぐや :「あ、元気になった。」
桃三郎 :「そしてこれは、桃太郎爺様が鬼を退治した、あの時の刀なんだ!すごいだろう!」

かぐや姫、完全に無視。

かぐや :「それにしても・・・、私もお腹減ったな〜。」

ガラガラガラ  ドーーーーン(効果音)

かぐや :「なっ、何!?」
鬼1 :「お!お!お!おなごがいたぞぉ!」
鬼2 :「やった!おなごだ!」
鬼1 :「捕まえろ!!」
かぐや :「いったい何なのよ!ちょっと桃三郎!助けなさいよ!」
桃三郎 :「むむむ無理だよ〜、鬼になんかかなうはずないだろう!?」
かぐや :「何よ!あんたさっき自分は桃太郎の孫なんだって自慢してたじゃない!」
桃三郎 :「お、俺は爺様のように強くないし・・・」

鬼、かぐや姫に襲いかかろうとする。

かぐや :「ええ〜い!うっとおしいわ!」

かぐや姫、セーラームーンのステッキを取り出す。

かぐや :「ムーンプリズムパワー☆★☆★」
鬼 :「ぎゃああああああああ!!!!!!!」
かぐや :「ほほほほ!月の力、とくと味わうがいいわ!」
桃三郎 :「ひぃ〜〜〜〜!!!」

かぐや、ステッキを放りだし、桃三郎の刀を奪い取る。
かぐや、鬼を次々に斬り捨てる。

鬼1 :「うわぁ、あんなおなご、ごめんだ!」
鬼2 :「逃げろ、逃げろ!!!」

鬼、ふらつきながらはける。

かぐや :「ふん。たわいもないわね。」

かぐや、歩き出す。

桃三郎 :「ま、待ってくれよ!俺の刀!!」

かぐや :「ねぇ桃三郎〜。お腹すいたぁ・・・」
桃三郎 :「俺だってペコペコだよぉ・・・」
かぐや :「何よ!男のくせにだらしないわね。────あれ?あんなとこにお寺がある。」
桃三郎 :「え?まじ?ラッキー☆今日はあそこに泊めてもらおう。」
かぐや :「え〜?なんか汚そうじゃない?」
桃三郎 :「別におまえに一緒に来いなんて言ってねぇよ。」
かぐや :「なっ、何よそれ!!」

暗転

(マイクかなんかで)
かぐや :「ねぇ桃三郎。寺と神社の違いって何?向こうで勉強したんだけどさぁ、いまいち分かんなくて。」
桃三郎 :「ははっ、それくらい俺が教えてやるよ。それは・・・・・・・・・・」
かぐや :「それは?」
桃三郎 :「・・・・・・・・」
かぐや :「分かんないの?」
桃三郎 :「わ、分かるに決まってんだろ!違いはなぁ・・・・、祭られてるもんが違うんだよ!」
かぐや :「へぇ・・・どう違うの?」
桃三郎 :「じ、神社は刀が祭られてて、寺にはお稲荷様が祭られてるんだよ!」
かぐや :「へぇ、かなり限定されてるのね。勉強になったわ。あれ、・・・・でも勉強したのと大幅にずれてるような・・・・」
桃三郎 :「ははは!月の書物もまだまだだな!!(滝汗)」
かぐや :「ふ〜ん・・・・・・・あ、お寺、もうすぐだよ。」

明転

かぐや、ドアをガンガンたたく。

かぐや :「誰か居ませんかー!?」
桃三郎 :「おい、かぐや、ちょっと叩き過ぎじゃ・・・」
かぐや :「もうっ、誰か居ないのかって聞いてんじゃない!!」

ノックさらに激しくなる。
かぐや、体当たりしようと助走をつける。
そこに坊さん出てきて激突。

坊さん :「はいはい、どちらさまですか?────ぐはぁっ!!」
桃三郎 :「あ・・・・」

寺の中。

桃三郎 :「さっきはホントごめんなさい・・・・こいつのせいで。」
坊さん :「いえいえ、いいんですよ。」(そういいながらも腰を押さえて苦笑)
かぐや :「なによ!私のせいにするつもり!?」
桃三郎 :「どう考えたっておまえのせいだろ!」
坊さん :「ところで・・・いったいどうなさったんですか?」
桃三郎 :「いや、実は今夜宛がなくて。一晩だけ泊めていただけませんか?」
坊さん :「ああ、そういうことでしたら是非ゆっくりなさっていってください。今から夕食も用意しますので。」
桃・か :「っしゃ!」

桃三郎とかぐや、そろってガッツボーズ。
坊さん、はける。

かぐや :「それにしても・・・あんた、家に帰らなくて大丈夫なの?」
桃三郎 :「帰らねぇよ。今は旅の途中だし。」
かぐや :「旅?何でまた・・・」
桃三郎 :「おまえには関係ないだろ。」
かぐや :「なっ、何よそれ。」

坊さん夕食を運んでくる。

坊さん :「どうぞ召し上がってくださ・・・」

坊さんが言い終わる前に2人とも食べ始める。

桃・か :「おかわり!!」
坊さん :「・・・は、はい;」

食事終了。

かぐや :「おいしかったぁ〜。」
桃三郎 :「ごちそうさまでした。」
坊さん :「いえ。それでは、私は食器を洗ってきますので。」
桃三郎 :「あ、ちょっと待ってください。俺たちが洗います。お礼の代わりにできることはしますので。」
坊さん :「え・・・?でもそれじゃ悪い・・・」
桃三郎 :「気にしないでください。」
坊さん :「それでは、お願いします。裏に川が流れていますので。」

桃三郎とかぐや、川に向かう。
川で食器洗い。

かぐや :「静かね。」
桃三郎 :「ああ、そうだな。」
かぐや :「この川、なんか今にも桃が流れてきそうじゃない?」
桃三郎 :「そんなことあるわけないだろ?」
かぐや :「なによ、あんたのお爺さん、桃から生まれたんじゃないの?」
桃三郎 :「桃の中にどうやって入るんだよ。中身がない桃なんて桃じゃねぇよ。」
かぐや :「そうね、よく考えればそんなの────っていうか、なんで私がこんなことしなきゃいけないのよ!信じられない!手が荒れちゃう〜〜〜!!!」
桃三郎 :「あのなぁ、これが日本人の礼儀ってもんだろ?」
かぐや :「私は日本人じゃありません。ついでに人間でもないし。」
桃三郎 :「あ、そうか。」

かぐやにサス。

かぐや :「私はかぐや姫。月の住人です。今回、月での生活に嫌気がさして、地球に家出しちゃいました。だって月の姫ってだけで毎日毎日宮廷に閉じこめられて礼儀作法の勉強をする毎日。私だって遊びたい。冒険がしたい。そんな時、地球に罰で行かされていた時のことを思い出した。あのとき、地球行きが決まったときは正直冗談じゃないって思った。でも・・・いざ地球で生活してみると、・・・いろんな暖かさにふれた。」

サスおろす。

桃三郎 :「どうしたかぐや?さっきから黙って。」
かぐや :「え・・・?な、なんでもない。────って、いつのまにか何勝手に呼び捨てにしてんのよ〜!私はお姫様よ!?お・ひ・め・さ・ま!!」
桃三郎 :「はわわっ、ごめん!ごめんって!」
かぐや :「せっかく地球まで逃げてきたってのに、なんで川で皿なんか洗ってるのかしら。なんか虚しくなってきたわ。」
桃三郎 :「そういえば、なんでかぐやは地球に来たんだ?しかもそんなふつうの格好で。もしかして家出か?それとも勘当されたとか?」
かぐや :「うるさいわね!家出よ家出!悪い!?」
桃三郎 :「悪くないです!」
かぐや :「ホントもう、嫌になっちゃう。みんなして姫だから姫だからって・・・。私は好きで姫になった訳じゃないのに。姫だから何よ!なんで人と違う扱いされなきゃいけないの?自分のやりたいことを優先するのはそんなにいけないことなの?」
桃三郎 :「っか〜〜〜!最近の若い娘はすぐに熱くなる。嫌だねぇ。」
かぐや :「なによ。私はあなたの軽く数倍は生きてんのよ。あなたにそんなふうに言われたくない。何にも・・・知らないくせに・・・。」
桃三郎 :「なっ、なんだよ。」
かぐや :「むかつくって言ってるのよ!むかつく〜〜〜!!」
桃三郎 :「まあまあ落ち付けって。」

桃三郎立ち上がる。

かぐや :「は?もう終わったの?手抜きじゃない?」
桃三郎 :「何言ってるんだよ。これが日本人の礼儀ってもんなんだよ。」
かぐや :「ふうん。」

2人寺に戻る。

坊さん :「おぉっ!すいませんでした。お客様にやらせてしまって・・・」
桃三郎 :「いいえ。食事までさせていただいたので・・・当然のことです。」
坊さん :「あ、布団は敷いておきましたので、好きなときにお休みになってください。」
桃三郎 :「ありがとうございます。」
坊さん :「いえ。では、私はこれで。」

坊さん、はける。

桃三郎 :「さあ、じゃあとっとと寝るか。」
かぐや :「は?もう寝るの?」
桃三郎 :「何言ってるんだよ。早寝早起き一日三食。これが日本人ってもんだ!」
かぐや :「ふうん。」

2人、布団に入る。

かぐや :「じゃあおやすみ。」
桃三郎 :「・・・・・・・・」
かぐや :「何?もう寝たの!?」

暗転

青地と青シーリングで。
坊さん、金槌と縄もって現れる。
坊さん、桃三郎を殴る、そして縄で縛り付けようとする。

かぐや :「ん・・・・」
坊さん :「!!!」

坊さん、かぐやも殴ろうとする。
しかし寝相が悪いため、かぐやの腕が坊さんの顔面にクリーンヒット。

坊さん :「ぐあっっ!!」
かぐや :「んん〜〜〜?」
桃三郎 :「ぅぐっ」

かぐや、桃三郎を蹴り飛ばした後やっと起きる。

かぐや :「何の騒ぎよぉ・・・って、何やってんの、あんた。金槌なんか持っちゃって。」
坊さん :「くっ・・・」
かぐや :「桃三郎?ちょっと、大丈夫!?・・・あんたがやったの・・・?あんたのせいで桃三郎は波間に漂う死体みたいになっちゃってるの!?」
坊さん :「いや、それはあんたが蹴飛ばしたから・・・」
かぐや :「信じられない!人を殴っていいのはピコピコハンマーまでってお母さんに教えられなかったの!?」
坊さん :「はぁ?」
かぐや :「あんたなんて・・・・・こうよ!!」
坊さん :「あああああああああ!!!!すみません、はっ、話を!!」

かぐや、坊さんを縄でぐるぐる巻きにする。
桃三郎、起きる。

桃三郎 :「ん・・・・・・何やってるんだ?かぐや。はっ!ま、まさかおまえ、そういう趣味だったのか!?」
かぐや :「違うわーーーーーー!!!!!って、桃三郎、大丈夫なの!?」
桃三郎 :「何が・・・・?ってぎゃああああ!!!!血が、血が出てるぅ!!!」
坊さん :「あの・・・話・・・」
かぐや :「気づくの遅いわよ!」
桃三郎 :「ああああああ!!かぐや!おまえなんてことするんだ!俺に恨みでもあるのか!?」
かぐや :「はぁ!?あたしじゃないわよ!!」
坊さん :「あの・・・・とりあえず私の話を聞いてもらえませんか・・・?」
かぐや&桃三郎:「・・・・・・・・・・・はい。」

かぐや:「・・・・・・で、なんでうちらを襲ったの?」
坊さん:「話せば長くなるのですが・・・・・時間もないので最速で話しますね。」

坊さん超最速で話す(何言ってるか分からないぐらいで)。
かぐやと桃三郎、最速でうなずく。
まぁ、ビデオテープ早送りしてる感じで。

坊さん:「・・・・・・・・というわけなんです。」
桃三郎:「なるほど〜」
かぐや:「つまり、あんたは、奥さんのお姫様を鬼に拐われて、鬼に"返してほしければ、ほかの女を連れてこい"と言われたのね。それで私をかわりに差し出そうとしたってわけか。」
桃三郎:「さっきの長話意味あったのか?」
坊さん:「その通りです。本当にすみませんでした。姫を助けるためとはいえ、関係ない人にまで危害を加えようとしてたなんて・・・・・・・私は・・・・・・・・」
桃三郎:「いや、俺、危害加えられたからね。・・・・・・・っていうか、かぐやが目的なら、俺殴られなくてもよかったんじゃぁ・・・・・・・」
かぐや:「あんた坊さんでしょ?お稲荷さまが泣くわよ。」
坊さん:「お稲荷さま・・・・?」
桃三郎:「まっまっまぁ、気にするなよ!」
坊さん:「私は実は坊さんではありません。たまたまこのお寺を利用してただけです。誰もいなかったので。」
かぐや:「え?じゃああなたは・・・・・・・」
坊さん:「私は、一寸法師と申します。姫といっしょに政務をさぼって旅をしてたんですよ。」
かぐや&桃三郎:「え!?一寸法師ってあの一寸法師!?」
桃三郎:「え?でも一寸法師ってこ〜んな小さいんだろ?一寸だろ?」
かぐや:「何言ってるのよ!最後にうつでのこづちで大きくなったんでしょ!」
桃三郎:「え?そうだっけ?」
坊さん:「あの・・・、話の続きを・・・・・・」
かぐや:「まぁ、結局はその鬼を倒せばいいわけでしょ。よ〜し、行くわよ!桃三郎!!」
桃三郎:「え!?」
坊さん:「え・・・・・・・・それはどういう・・・・・・・」
かぐや:「協力するって言ってるの!困ってる人を見捨てる程落ちぶれてないから。ね?桃三郎。」
桃三郎:「え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!??????」

暗転

(マイクかなんかで)
坊さん:「本当にありがとうございます。なんとお礼を言えばよいのか。」
かぐや:「まぁまぁ、気にしないでよ!うちら暇だし!ね、桃三郎☆」
桃三郎:「いや、俺は・・・・・・・」
かぐや:「安心して、坊さん!こいつ、あの鬼を退治した桃太郎の孫なんですよ!」
坊さん:「おお!それは頼もしい!」
桃三郎:「おいかぐやっ、余計なこと言うなよ!」
かぐや:「なによ、私にはあんなに自慢してたくせに!」
桃三郎:「今じゃ状況が違うだろ〜!?」
かぐや:「何が違うのよ〜!?」
坊さん:「あの・・・・・・喧嘩は・・・・・」
かぐや&桃三郎「うるさい!!!!!!!!」
坊さん:「はっ、はい〜〜〜;;;;;;」


明転


3人歩いている。

かぐや:「鬼ヶ島ってまだなの〜?」
坊さん:「もうすぐ見えてくると思うんですが・・・・」
かぐや:「ちょっと休憩しよ〜。疲れた・・・・」
桃三郎:「なんだよ、なさけねぇなぁ。どうせ月でも豪華な椅子にすわって一日中召使こき使ってたんだろ。そんなんだからダメなんだよ。」
かぐや:「な、なによ。そんなふうに言うことないじゃない。私だって好きでお姫様やってるわけじゃないのよ。椅子から降りたくて城から抜け出せば、城中の家来が血相変えて探し回るし、連れ戻されれば部屋に閉じ込められて政務の勉強させられるし・・・・・。あんたに私の気持ちが分かるわけないじゃない!!」
桃三郎:「なんだよ・・・・自分だけが苦しんでるみたいないい方するなよ。不幸のヒロイン気取りかよ。ふざけんな!」
かぐや:「なによ!あんたみたいに気楽に生きてる奴にそんな風に言われたくないのよ!」
桃三郎:「気楽に生きてる・・・・?おまえこそなんにも知らないくせに知ったような口きくんじゃねぇよ!!もんく言うならさっさと月に帰って贅沢な暮らしでもしてればいいじゃねぇか!!」
かぐや:「・・・・・・・ばか!!!!!!」

かぐや走ってはける。

坊さん:「あ・・・・、あの・・・・・」
桃三郎:「ちくしょう、なんだよ、あいつ。」
坊さん:「あなたも・・・・・・いろいろと抱えてるみたいですね。話してくださいませんか?」

一方かぐや、途中で戻ってくるが2人が話しているのに気づき、装置の後ろにかくれる。

桃三郎:「おれは・・・・、さっきかぐやが言ってたように桃太郎の孫だ。でも、俺は爺様みたいに勇気もなければ強くもない。何をやろうにもうまくいかず、周りに迷惑かけるばっかり。それで、親戚にも冷たい目で見られ、親にも愛想つかされて、ついに勘当された。"名が汚れるからもう帰ってくるな"だとよ。ふざけんなって話だよな。なんで爺様と比べられなきゃいけねぇんだよ。ただ祖父が伝説の桃太郎だからって、俺までそんな目で見ることないだろ。俺だってすきで桃太郎の孫になったわけじゃねぇんだ。だから、かぐや見ててむかついた。結局あいつは大事にされてるんだ。そのありがたみが分かってないんだよ。」
坊さん:「そうなんですか・・・・・・」
桃三郎:「でも・・・、言いすぎたかもな。あいつもあいつなりに苦しんでるわけだし。周りからあれこれ言われ過ぎるのも確かにむかつくかも・・・・・・」

かぐや:「私って・・・・・・・やな奴。・・・・・・だれにも相手にされないって、どんな気分なんだろ。」

暗転

かぐやと桃三郎、目をあわせずに歩いている。

坊さん:「あ、着きましたよ!あれが鬼ヶ島ですね。」
かぐや:「あれが・・・・・・・」
桃三郎:「鬼ヶ島・・・・でも誰もいないような・・・・・・」

鬼、反対側から出てくる。

鬼1:「なっなっなんだぁ〜〜!?俺たちのアジトになんのようだ〜〜!?」
鬼2:「出てけぇ〜!!!!」
かぐや:「え・・・・」
桃三郎:「くそっ!」

鬼、後ろからかぐやに襲いかかる。
かぐやをかばって桃三郎、殴られてふっとばされる。

桃三郎:「ぐあっっっっっっ!!!」
かぐや:「きゃああああ!!!桃三郎!!!」
鬼1:「ぐはははは!まずは1人だ!」
かぐや:「許さない・・・・・・・」
鬼1:「は?」

かぐや、ぐーパンチで鬼1をふっとばす。

鬼1:「ぐはあっっっっっっ!!!!!」
かぐや:「桃三郎!あたしのせいで・・・ごめん!ごめんねぇっっ!!」
桃三郎:「ったくよそ見してんじゃねぇよ。これだからお姫様は・・・・」
かぐや:「ほんとにゴメン・・・私、桃三郎があんなつらい思いしてるなんて知らずに、あんなひどいこと言っちゃって・・・・私・・・・・」
桃三郎:「おいおい、こんなとこで泣くなよ。」
かぐや:「泣いてないわよバカっ!!」
坊さん:「痴話喧嘩はこの後にしてくださ・・・・・・」
かぐや&桃三郎:「痴話喧嘩じゃな〜い!!」
坊さん:「はひっ、すみませ・・・」

そんなことを言ってるうちに鬼再び襲ってくる。

かぐや:「とりあえず、こいつらぶちのめすわよ!!」

かぐや、桃三郎の刀を抜く。

桃三郎:「俺の刀!!」
かぐや:「うるさいわね、これあげるわよ!はいっ。」
桃三郎:「こ、これは・・・・・ムーンライトステッキ・・・!」
坊さん:「そういえば私、丸腰なんですけど・・・」
桃三郎:「これやるよ!はいっ。」
坊さん:「こ、これは・・・・・バナナの皮・・・!」

とりあえず鬼と戦う。
かぐや、めったぎりに。
桃三郎はとりあえずステッキ振り回す。
坊さんはこっそりバナナの皮をおく。

桃三郎、バナナの皮ですべる。

桃三郎:「ぎゃああああああ!!!」
坊さん:「すっ、すみませ・・・あああああああああ!!!!!!

坊さんもすべって桃三郎に重なる。

かぐや:「あんたら何してんのよ!?;;」
鬼2:「はははっ!チャンスだ!やっちまえ〜!!」
かぐや:「くっ・・・・・」

姫さん走って出てくる。

姫さん:「何してるの!?やめなさい!!!!」
みんな:「え・・・・?」
坊さん:「姫!!!」
姫さん:「いっちゃん!?」

坊さんと姫さん、抱きあう。姫さん突きとばしてもいいけど。

かぐや:「こ、これは感動の再会ってやつなの?」
桃三郎:「いっちゃん・・・・・・・・?」
かぐや:「きっと一寸法師の"いっちゃん"よ。」
桃三郎:「なんかバカップルぽいな。」
坊さん:「姫!無事だったのかっ。」
姫さん:「あたりまえじゃない。あ・・・・いっちゃん、怪我してる!!」
坊さん;「大丈夫、今バナナにやられただけだから。」
姫さん:「バナナ・・・?」

鬼、姫さんの前に土下座する。

鬼1:「すっ、すいやせんでした!姐さんのイイヒトだと知らずに・・・・!」
鬼2:「申し訳ありやせんでしたぁ!!」
姫さん:「次はないわよ。覚えときなさい。」
鬼:「へへぇ〜〜〜っっっっっっ!!!!!!」
かぐや:「なに!なんなの!?」
坊さん:「姫、おまえ・・・・」
姫さん:「うふv連れてこられてきた日に鬼ヶ島なんか占領してやったわ。」
桃三郎:「こわ・・・・」
坊さん:「さあ、帰ろう、姫。」
姫さん:「ええ。」
鬼1:「待ってくだせぇ!!」
鬼2:「行かねぇでください、姐さん!!俺等を見捨てないでください!!」
姫さん:「何言ってるの?あなたたちはもう自分達でやっていけるでしょう?」
鬼2:「俺等、姐さんにしごかれてから改心できたんです!今日もほら、川でこんなに魚とってきました。もう女をさらってくるのもやめたんです。だからっ・・・・・」
鬼1:「もう喧嘩もしませんから・・・・・・お願いします!!!」
姫さん:「・・・・・・・いい?私には帰るところがあるの。あなたたちにこの鬼ヶ島があるようにね。だから・・・そんなわがまま言わないの。それにさっきも言ったでしょ?あなたたちはもう私がいなくても大丈夫よ。きっと、私なんかよりもあなたたちをしごいてくれるイイヒトが来るわ。だから、そんな顔しないで。」

鬼、泣きくずれる。

鬼:「うおおおおおおおおお!!!!!!姐さん〜〜〜〜!!!!!」
桃三郎:「なんかくさいな・・・・・・」
かぐや:「うん。」
姫さん:「ごめんね、私は、いっちゃんがいいの///////////」
坊さん:「姫っ//////////////」
桃三郎:「こっちもくさいな・・・・・・」
かぐや:「うん。でも・・・・なんか素敵だな〜。いいよね、そういうのって。」

姫さん:「何?何?聞きたい?私といっちゃんの素敵な出会いのストーリーをw」
桃三郎:「え・・・・?」
姫さん:「聞きたいのね!いいわ、ちょっと待って☆」

姫さん、鬼にメモを渡す。

姫さん:「覚えた?それじゃあいくわよ♪」

ホリの色変えてください。

坊さん:「あれは、私が一人さびしくマックでフィレオフィッシュバーガーを食べていたときのことだった。」
鬼1:「よぉよぉ姉ちゃん、俺等にフライドチキンおごってくれよ〜」
姫さん:「そんなのケンタッキーで食べてください!」
鬼2:「そんなかたいこと言うなよ〜」
姫さん:「やめてください〜!!」
坊さん:「待ちたまえ、きみたち。」
鬼1:「なんだてめぇは。」
坊さん:「レディーが嫌がっているじゃぁないか。離してあげなさい。」
鬼2:「あぁん?うぜぇ、やっちまえ!!」

坊さん、チョップで2人をやっつける。

鬼:「ぐあああああっっっっっ!!!!」
坊さん:「大丈夫ですか?お嬢さん・・・」
姫さん:「は、はいっ////////////////」

ホリ戻す。

姫さん:「どう?これが私たちの出会いよ。素敵でしょう?」
桃三郎:「いや、どう考えても嘘にしか聞こえな・・・・ぐはっ」

かぐや、桃三郎を殴る。

かぐや:「素敵です!」
姫さん:「やっぱりぃ〜?///////////」
かぐや:「私も、そんな素敵な出会いしてみたいなぁ・・・・・」
姫さん:「あら、実はもうしてるんじゃないんですか?」
かぐや:「へ・・・・・・・・?」
姫さん:「とぼけないでよ〜っ。桃三郎くんとかぐやちゃんですよ!」
桃三郎:「ちっ、ちがっっ!!!」
かぐや:「そっ、そうよ!私たちの出会いなんて、"喰い物くれよ〜"なのよ!?信じらんない!」
桃三郎:「でも・・・・・俺、かぐやのせいでめちゃくちゃ振り回されたけど、なんか楽しかったな。ほら、俺家から勘当されたって言ったじゃんか。あれ以来、ろくに人とかかわったことがなかったからさ。やっぱり、居場所ってのは大事なもんなんだなぁって今さらだけど思うよ。」
かぐや:「居場所・・・・・・・・私の居場所は・・・・・・・・」
坊さん:「人は人生をかけて自分の居場所を探すものなんです。私の場合、それは姫の隣ってわけですよ。」
姫さん:「そう、よ〜く考えて、自分が幸せになれる場所を見つけるのよ。」
かぐや:「・・・・・・・・・桃三郎、私決めた!私、月に帰るわ。」
桃三郎:「え・・・・何言ってんだよ。おまえ・・・・」
かぐや:「私、桃三郎に言われた通り、我侭だった。よ〜く分かった。まだまだ、私は勉強が足りない。」
桃三郎:「い、いきなりなんだよ。」
かぐや:「私さ、自分に甘かったんだ。自分がかわいそうだって逃げ出してきた。でも、桃三郎に会って考え直したよ。私は、月に帰らなきゃいけない。逃げてちゃいけない。」
桃三郎:「待てよ!行くなよ!俺今言ったばっかだろ!?俺、おまえに会ったからこんな楽しかったんだ。なのに・・・・おまえは俺から離れてくのか?俺の居場所にはなってくれないのか?」
かぐや:「桃・・・・三郎・・・・私も、初めてこんなに冒険した。すっごく楽しかった。これも桃三郎に会えたおかげだと思う。もう、感謝しきれないよ。それに、よ〜く考えたら、前に地球に来たときは私、お嬢さま気取りで男振り回して遊んでた。今回は、まぁ、桃三郎を振り回しちゃったわけだけど。でも、やっぱり地球はいいなっ。みんな温かいんだもん。今回もいっぱい温かいものもらった。」
桃三郎:「かぐや・・・・っ」
かぐや:「やだっ、そんな顔しないでよ。何も永遠の別れってわけじゃないんだからさ。私、月でもっともっといろんなこと勉強してくる。私もう、逃げたくないんだ。それで、桃三郎に自信持って顔あわせれるようになって帰ってくるよ。」
桃三郎:「・・・・・・・おまえ、ひどいよな。」
かぐや:「つらいのは自分だけじゃない・・・・・・・・でしょ?」

かぐや、笑って桃三郎とゆびきり。

かぐや:「それじゃあね、桃三郎。私、あんたのことけっこう好きになったかも。」

SSでかぐや照らす。

桃三郎:「ちくしょう!俺もおまえのこと嫌いじゃなかったぞーーーーー!!!!」

暗転


坊さん:「ああ〜のどかですねぇ。」
姫さん:「ホント。あれからもう5年かぁ。早いよね。」
桃三郎:「おまえら、政務はいいのかよ。」
坊さん:「いえいえ。家臣に任せてあるので平気です。」
姫さん:「そうそう、ちょっとぐらいさぼってても平気よぉ☆」
坊さん:「それにしても、かぐやさん、あれから元気でやってますかねぇ。」
姫さん:「ホント、いつ帰ってくるのかしら。」
桃三郎:「あいつは・・・・・・帰ってこねぇよ。」
姫さん:「え?どうして?」
桃三郎:「あいつの居場所は・・・・・・・・・」

突然SSの光。
あとスモークとかあるとうれしい。

かぐや:「桃三郎〜〜!!!!」
桃三郎:「・・・・・・え・・・?」
かぐや:「ただいまっ!!」

かぐや、桃三郎に飛びつく。


幕閉じ。